部屋に入ると、まめ太さんが水槽の前で泣いている。水槽の中で、亀が固くなっていた。
亀があんまりじっとしているもんだから、こりゃもしかして死んでんじゃねえのかと以前思ったもんだが、同じじっとしていても生きている亀と死んでいるそれはまるで違った。
そんなちょっと呆然とするさなか、すげえ・・・・と思ったのは、目を真っ赤にしたまめ太さんが、死んでしまった亀を目の前にして、牛乳を飲みながらパンをバクバク食っていたこと。いいぞ、と思った。
悲しいことも不本意なこともこれからいっぱいあるぞ。全部乗り越えていけ。