山形戦の誠史のゴールで、選手は普通に喜んでた。
それに対しサポーターは、89分も待ってたゴールの後なのに奇妙な反応を示した。
それは怒りと苛立ちと憤り。家に帰ってスカパー見て思わず笑ってしまった。点入れたチームのサポーターが(俺も映ってた)、怒り狂ってるんだから・・・・・
サポーターは何より優勝に拘っている。ロスタイムに入ろうとしてるのに喜んでる場合じゃないだろ。その意思表示だった。
だけど、あの怒号の真相はもうちょっと違うところにあるんじゃないかと思う。
昇格争いは、単に良いだけのサッカーチームが勝ち抜ける場ではない。
なんだかよくわからんので言い換えると、J2リーグを勝ち抜けるだけの良いサッカーチームを持つには、良い土壌が必要なのだ。
更に言うと、今のJリーグは、街と街がサッカークラブをインスタンスとして、サッカーに賭ける総合力を競う場なんだ。そう思う。
クラブにいい選手といい監督がいるだけじゃ全然足りない。
サッカーの勝敗は交代枠も含めたピッチ上の14人で決まるけど、その14人からなるチームはもっと広い裾野の上に成り立っている。
サブの選手しかり。サテライトの選手しかり。ユースの選手しかり。監督。コーチ陣。フロント。スタッフ。
そしてこれら、前線で戦う人たちの仕事の質を醸すのは実は有形無形にクラブを支える人や、その背後にある地域経済や地域社会のサッカーにかける熱なんだと思うのだ。
もちろん熱があるだけじゃダメで、その熱がちゃんと機能しないことだってありうる。サポーターのひと暴れでクラブをとりまく何もかもがあっけなく壊れることや、無能な監督一人の力でサッカーチームはメチャメチャに出来ることを福岡の人はよく知っている。
(だけどあの無能な監督を連れてくることを許したことと、クビにするのに半年かかったことだって結局は、土壌の力量に遠因があったのだなと今にして思う。まあそれはそれで別の話だ)
熱がクラブに伝わらないことだって、ありうる。見るからにフロントが迷走しているJ1クラブなんか、サポーターはご愁傷様と言うしかない。
今の福岡はどうだろうね。
地盤の質と量は、J1チームを持つのにふさわしいかな。
地盤とインスタンスが若干でも乖離しとらんかな。
熱はクラブを後押しする方向に発せられとるかな。
クラブは、その熱にふさわしいものかな。
クラブは能面を晒しとらんかな。
どうかな。
あの時の怒号について考えていて、ああ、俺たちは本当にはこのチームを信用しとらんのかもな・・・というところに思いが落ち着いてしまったので、以上つらつらと書いてみたんだけどなんかあれだな。書くことは難しいな。
参考:また引き分けた似たもの同士(中倉さん)
それにしても誠史のゴールはすごかったなあ。彼は宇宙人だよ、ほんとに・・・・
たしか2003年の天皇杯で、どこかの大学チームと大和とか海老名あたりのグランドで試合をしてるんだけどあん時の誠史のフリーキックがとんでもなかったのを思い出した。
もう勝敗は決したあとだったので壁の作り方が甘かったりしたんだろうけど、誠史の左足からぶっきらぼうに弾かれたボールは、レーザービームそのものの驚異的な弾道と速さでネットに刺さった。それまでピッチを行ったり来たりしてたのと同じ物質とはとても思えなかった。蹴った音もドゴン!みたいな、普通じゃない響きでさー。
あのキックには、裾野がどうのとか地盤がどうのとか、関係ないな。
黙るしかないわ。