四月のアビスパ雑感

仕事してる人ならば、誰だって「職業人として、あんたはこんだけの価値の人間ですよ」と毎月、毎週、毎日、評価を突きつけられるもんだと思いますが、それが最近の俺にはかなり辛くなってきた。結構メゲてます。

が、篠田監督ほど辛い立場では絶対にない。「あんたはこんだけの価値の人間ですよ」というのがこれほどわかりやすく、重たく示される職業もなかろう。三連敗。最悪の試合内容。負け越し。俺なら発狂寸前だろう。

そしてそんな中でも次から次へとやってくる試合。辛くないはずがない。ちゃんと眠れてるだろうか。

しかし、他人事だから言わせてもらうが、ここでメゲるなら篠田 お前はその程度の男だ。

俺にとって、篠田といえば「バックパス」だった。余裕で前を向けるってとき、複数人の周りの選手が前に動き出してるとき、電柱役がマークから離れてるように見えるときでも、ためらいなくバックパスする選手。

短気な俺みたいなアホウからすると非常にイライラする選手だったわけだが、もちろんバックパスには理由がある。中盤の底でそうそう冒険する必要はないからだ。ここで多少頑張ったところでシュートに直接結びつく場面にはまだならない。篠田はクレバーな選手だったから、リスクの高低とリターンの高低をちゃんと見極めてバックパスをしてたはずなのだ。と思う。

リスクの高いプレーはよりゴールに近い位置で、最終勝負の一歩二歩手前くらいで行うものだ。当たり前のことだけど、監督になった篠田だって、昔と変わらずそう思っているんじゃないかと思う。今のアビスパでいうと両ワイドや、場合によってはそれを追い越したサイドバックの選手がここぞというところでリスクの高いプレーをすることになってるはずだ。

今のアビスパは、篠田らしくないチームだと俺は思う。ゴールから遠い位置なら、チンタラチンタラと横パスやバックパスしてればいい。ロングボール頼りのサッカーは福岡っぽくないと思うが、無闇矢鱈な無謀パスだけのサッカーは全然篠田っぽくない。

サッカーの監督なんて、ダメでもそこそこ上手くいっても、どうせそのうち無下に切られるヒドイ職業なのだ。どうせなら遠慮せずにやりたいようにやればいい。

クレバーで熱い篠田ならできる。まだまだ出来る。俺はそう思っている。