映画「恋の罪」雑感

映画館を出て、景色が違って見える映画かと言われたら、違いました。世界は映画館に入る前のそのまんま。ふしだらで猥雑でユルユルで狡猾で無様なまま。それをそのまま見せていただいても・・・・と思いました。

だってねえ。言いたかないけど、そして人を殺めたことはないけど、俺ですらもうちょっとふしだらで猥雑でユルユルで狡猾で無様なことやってるよ!(園子温だってそうだろ!色々聞いたぞ!)と思ってしまってですねえ・・・・うーん。

んー。ふしだらで猥雑でユルユルで狡猾で無様な世界が当たり前になった後、何を俺は見たいんだろう。そういうことなんだろうか。癒しとか?優しさとか?努力すれば報われる式の頑張ろう節とか?ああ書いてて寒気がする。そんなもんよりは、園子温の映画のほうが50000倍いい。いいと思うんだけど、なんかねえ・・・

あと、あの事件をモチーフにするとあえて口にする意味がわからない。この脚本・あの演出だと、もはや全く無関係と言ってもよくない?

そういえば15年くらい前の円山町ってオイラも結構ウロウロしてたけど、立ちんぼなんてそんなにいなかったと思うんだよなあ。歌舞伎町のオケラ公園とかしゃぶしゃぶ通りガード下に比べたら全然少なかったんじゃないかねえ。

新宿中央公園の隅っこに貫一・お宮の銅像があるんだけど、それを目にするたびに園子温の映画を思い出す。なんつうんですか、あの「オヨヨ節」。なんか・・・大仰な、大時代的な「お芝居」に見えてしまうんです。あー書いてしまった。

うーん、ちょっと精神的に滅入ってるのでダメだったのかも。もっと元気なときに見たら違ったかも・・・わからん。