映画「UPSIDE DOWN」雑感

生きてます。

UPSIDE DOWNを見てきました。

知らないで行ったんですが、月曜日は男性デーとやらで1000円。これはお得ですぞ?!と意気込んだところに「Tシャツつきのチケットは如何ですか?」とカウンターを食らってしまいました。

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昼下がりの回なのに、館内のアチコチからビールの缶を開けるブシュ!ブシュッ!の音が聞こえてきます。仕方ないのでオイラも頂きましたが、途中からトイレに行きたくて困りました。もう若くはない同輩たちもきっとそうだったのではないかと想像します。提案ですが真ん中に休憩時間を設けては如何でしょうか。

映画を見て驚いたのが、アラン・マッギーは他ならぬショーン・ライダーに脳みそをどんぶらこどんぶらこと攪拌された結果、死ぬ寸前まで行ってしまった本物のジャンキーだったこと。その結果、クリエイション・レコーズ自体が正真正銘のらりぱっぱ野球団ロンドン支部と化していたこと、そして野球団が上から下までドラッグに浸かった危機の真っ最中にリリースされたのがloveless・screamadelicaそしてbandwagonesqueだったこと。なんというのか、当時クリエイションの音を聴いてオイラが感じてたのはまさにその酩酊感だったのだと今更ながらに認識させられました。

もちろん、もう20年も前の話ですから、時の流れは残酷でもあって・・・・インタビューに出てくる、まさしくオッサンとなった男たちのデイ~ンとした存在感はなかなかでした。

ボブ・モウルドは町で見かけても絶対気づかないくらいのオッチャン化を果たしてたし(もともとそうだったという話もあるが)、ケヴィン・シールズドラえもんみたいになってた。うん。だけど、マイ・ブラディ・バレンタインの奇妙に歪んだ音がスピーカーから叩き出されたとき、もう多分何百回と聴いたイントロなのに「こりゃ大変だ」と思いましたねぇ。イフ・アイ・キャント・チェンジ・ユア・マインドもキラッキラした音で鳴ってたし・・・・人は死んでも音は残るって本当なんだ(まだ死んでないけど)。

昔読んだ誰かのインタビューで、その人は「プライマル・スクリームは『ハイアー・ザン・ザ・サン』を作ったという事実だけで音楽の歴史に名前を刻んだんだ。いまから10年経っても20年経っても、世界のどこかにあのレコードを聞いている人がいるはずだ」みたいなことを言ってましたが、それを不意に思い出したりしました。ローデッドとハイアー・ザン・ザ・サンの酩酊感は限りなく永遠です。

ま、永遠だろうがコッパゲだろうが、こういう総括めいたことができるということは、もうそれが完全に過去の事物になってしまったということであって、、、寂しい、と書こうとして、いや違いますね。過去の事物になってしまったから何だ。別に問題ないや。問題ないっス。俺は生きてるし、生きてる限りはクリエイションの音を思い出したり、聴いたりするでしょう。

そしてそして。まだ見ぬ強豪的にそこここに名前の出てくる、同時代のアメリカのやさぐれ者たちの名前にいちいちきゅんとさせられました。レーベルでは絞りづらいところですが、是非80~90年代アメリカの総括も見てみたい!