北斗

選りによってと言うべきか、代表の試合はほとんど見ないのにその試合は見てた。見てしまった。

北斗がざっくりと削られて、立ち上がれなかったあの試合。普段痛がらない北斗が立ち上がれない姿を見て、福岡サポーターなら誰もが覚悟したと思う。

その年、福岡はJ2に降格した。

それにしてもアレはなんだったのかね。平塚の試合で途中出場した北斗は、試合後まともに立っていられず、ピッチ脇の看板を支えにして俺らに挨拶した。「全然コンディション戻ってないじゃん・・・」と驚いたのを覚えている。

そして、次の仙台戦になぜかスタメンで出て、別のところケガして10分で交代してしまった。

あんなバカな話があるかよ。どんだけ節穴なんだ。誰が責任取るんだボケ!と思ったが、誰に責任があると議論にもならず。その年、この論外なチームは当たり前に低迷してシーズンを終えた。

前も書いたけどプロのサッカー選手は移籍をする生き物だ。ギャラ、出場機会、環境、人間関係。キッカケがあればどんどん移籍するだろうしするべきだ。なにしろ選手寿命の短さはハンパではない。

北斗の移籍が正式に発表された。

この移籍は北斗にとってはもちろん、福岡にとってもいいことだ。いや、正確に書くといいことにしていかなければならない。ポジションが空いたことで生まれる新しい競争をチームの活力に変えなければならない。多少は入るだろう移籍金で最大限効果的な補強をしなければならない。そして、北斗が残したコメントを脳裏に刻み、クラブとチームがあるべき姿を見据えないといけない。

北斗、今までありがとう。