第33節: 名古屋 2-0 福岡 / 第34節: 福岡 1-1 甲府

名古屋戦

名古屋戦の当日は山梨県に居て、試合時間帯は親戚一同そろって食事していた。

J1に上がったご利益なのか、いい年したオヤジ連中が妙に甲府のことに詳しくなってた。メディアの露出量が以前と全然違うからだろうな。

そんな微笑ましい風景にも、「あのなあ、俺はゴール裏が芝生だったときから小瀬に行ってるんだぞ!」「キノコが生えてたんだぞ!」「帰りのバスの本数が水戸と大して変わらなかったんだぞ!」などと暑苦しい自慢をしたくなり困った。

甲府-千葉戦は地上波だった模様で、貸切の部屋に据えてあるテレビで生中継を見はじめた。情報遮断してビデオを見るつもりだったけどこれじゃ途中経過が入ってきちゃうなとあきらめて携帯で3分おきに速報をチェック。

不思議なもんで、得点者 玉田とあるだけでああこりゃPKだなとわかった。

2点入れられてからはもっぱらセレッソの試合を確認。どこまで付き合いのいいチームなんだ・・・・

普段見てる福岡がせわしないサッカーをしているせいか、マイボール時の甲府の異様な落ち着きが新鮮だった。

甲府

CSで観戦。PCにはJ's goal速報で、C大阪v川崎戦を表示させる。

誠史の負傷交代にドギマギしたり、晴れ間が差してる様子に安心したりの立ち上がり。いやー、よく晴れてくれた。今週末はまた雨の予報みたいだけど・・・

福岡はとにかくマイボールになったらタテにけりこむ。かっこ悪いが危険なところでボールを失わずに済む。手持ちの駒を考えるとこうやるしかなかった。そして相手ボール時はしつこくプレス。今日のタテポン・プレスに限らず、各プレイヤーが各々やるべきことを徹底して遂行したからセレッソを最終的に上回れたのだと思う。福岡は己を知った上で最適解を選択した。セレッソは最後まで自分らの力量を掴みかねたまま、シーズンが終わってしまった。福岡がセレッソと10回試合したら、勝てるのは2回だろう。

CS TBSチャンネルがほぼリアルタイムで長居第二の得点経過を入れてくる。妙なチャイムがなるたびに有頂天になったりションボリさせられたりする。

0-1。0-2。チャイムが鳴ると息をのみ、そして安堵の息。このままいけば・・・・急に立ち上がって9日のエアチケットの空きを確認したりする。電流が流れるとエサを取るサルに近い。我ながら悲しいくらいアホだ。

1-2。前半終了後、ふとJ's Goalを見るとスコアが動いている。ロスタイムに古橋が決めたらしい。夢から醒める。一気に不安が募ってくる。セレッソ甲府、次にどちらかが一点入れると一気に転落だ。J2。

そして甲府 保坂が得点してから佐伯が蹴りこむまでの20分間、そしてその後川崎の三点目が入るまではなんとも妙な気分だった。

福岡は弱い。勝ち点・得点・失点・得失点、その他各種データが示す通り普通に弱い。なにより、ピッチ外では降格に値するだけの妙なことを今年もいっぱいしでかしてる。何が目的なのかよくわからんが未だに一生懸命足を引っ張ってる人もいる。今年の成績については俺は妥当だと思う。降格だって、「まあ仕方ねえな」どころか「落ちて当たり前」くらい思っている。

その反面、出来うるギリギリまで選手のみんなががんばっているのも知っている。3ある能力のうち、3に限りなく近いところまで、力を振り絞っている。

降格するチームは大抵どこも、てんでやり切れずに落ちていく。精神的に乱れた挙句、持ってる力を出せないうちにシーズンが終わってしまう。

俺は福岡が好きだから あれだけやってる選手やサポーターの努力が報われて欲しいとも願っているし、それ以上にこれだけやり切れている連中は落ちねえだろうなと楽観もしている。

佐伯のゴールまでの20分間、ここ数ヶ月 同居をしていた諦念と楽観がどういう具合に配置されたのか。うまく説明できないけど、少なくとも呆然とはしてなかった。なんとかなるんじゃないかな、と思いながら見てた。

1-1。ゴールが決まった瞬間の俺のトチ狂いっぷりを見たかあちゃんは爆笑してたが構っていられない。入れ替え戦! 来週土曜夜は飲み狂って帰りの飛行機は日曜の最終あたりでいいか? 水曜は柏か?

しかしこんどはPCの表示が気になる。いつあの間抜けなチャイムがテレビから聞こえるのか気が気じゃない。西澤・大久保・古橋、あいつらがこのまま黙ってるのか? そういえば今日は名波が先発だったんじゃないか? 今この瞬間、気の利いた審判がペナルティ・アークを得意げに指差したりしてないだろうか・・・・

20分後、チャイムを鳴らしたのは川崎だった。1-3。雨が降ってるらしい長居第二のしん・・・とした空気が目に見えるようだった。決まりだ。入れ替え戦

相手は、神戸。

試合終了後、テレビから博多の森のどよめきが聞こえたときは素直にうれしかった。