パッチギ!

川を渡ろうとするとき、まず橋を作ることを考える、だから佐野元春はすばらしい・・
随分昔、ロッキノンという雑誌で宋さんという方がそんなことを書いていた。宋さんは京都在住の韓国人だ。

この映画では繰り返し繰り返し、川が出てくる。大事なシーンはほとんどが川で撮られている。
なかなか厄介なそれらの川を眺めてたら、佐野元春についての宋さんの記事を思い出したのだ。

佐野元春とはかなり違って、この映画に出てくる連中は無鉄砲に川を渡ろうとする。
佐野元春も素敵だが、彼らも素敵だ。にじり寄るようにヨレヨレっと川を渡る姿、壮大に水しぶきが上がる立ち回り、どれも印象的でした。

宋さんが好きだったパブリックエナミーみたいにそこに川があることを告発するもよし、NWAみたいに川の向こう側の話をするもよし、佐野元春やこの映画のように川を渡ろうとするのもいい。川がないことにしてしまうよりは。