フットボールダイアリーズ

ベガルタ仙台ゴールキーパーコーチを担当している藤川孝幸氏の日記が面白い。

面白いという言葉はちょっと違う。藤川氏に申し訳ない気がする。だけど、面白いという言葉以外思いつかない。

日記からは、陽気で真面目な男が昇格争いの只中で激烈なストレスと戦っているさまが浮かび上がる。

戦術的な理由やサポーターへの配慮などから書けないことも多いんだろうけど、そういうことはあまりどうでもいい。むしろ直接サッカーに関係のない誰に向かうでもない独白には、自分に喝を入れながら、終わることのない圧迫感や焦燥感と戦う藤川氏の姿が鮮明だ。読んでいると、週末毎に彼を苛む修羅場のちくちくとした息遣いが目に見えるようだ。胃壁に穴をあける酸の臭いを嗅いだ気がしたよ、俺は。

思わず、仙台頑張らんかい!と思ってしまいそうになったのだけど、しかし、この必死で戦っている好漢は、俺達の敵なのだ。

当たり前だが仙台に限らずどのチームも必死だ。監督・コーチの多くは、そして選手も、藤川氏と同じように勝利への思いに身を焦がしながら眠れない夜を過ごしているのだろうと思う。そう簡単には勝たせてくれない。