暗黒のLA四部作

記憶力が悪い。

記憶力が悪くてよいことは基本的にないんだが、というか困ってしまったり悲しくなってしまったりするばかりなのだが、それでもまんざら皆無でもなくて、二ついいことがある。

嫌なことをさっさと忘れられることと、昔読んだ本を初見のように読めることだ。これはいい。経済的であり、なによりあの素晴らしい体験をもう一度味わえるのだ。

大抵は読んだことは覚えてても中身をからっきし忘れてしまっているのだけど、読んだかどうかすらわからんこともあって、さすがにそれは怖くなる。

ジェイムズ・エルロイの「ブラック・ダリア」「ビッグ・ノーウェア」「LAコンフィデンシャル」「ホワイト・ジャズ」を読み返している。今、「LAコンフィデンシャル」の下巻を読んでるところだ。

いやあ、面白い。ウングラUSA三部作のほうはなんとなく内容を覚えてるのだが、こっちはほとんどなにも覚えてない。したがって無茶苦茶面白く読めている。

勝ち抜き悪徳警官生き残り合戦が延々と続いていく。どの警官も自身の欲望が醸す毒で自家中毒を起こすように破滅していくのがたまらん。

LAコンフィデンシャル上巻には、平成11年の相鉄の回数券が挟んであった。