福岡の守備力を概観してみる

アビスパの攻撃力の現状については結論が出た。2005年J2の平均より少し下。正直、萎えた。

では守備力はどうなんだ。すこしは明るい気分になれる数字が出てくるのか。ということで以下に現状の守備力をまとめてみた。

使ったデータは前回と同じ、Jリーグ公式サイトの"チーム別集計結果"である。

例によって思い切って失点と被シュート数でもって「守備力」の目安とした。

データは18節終了時点のものである。

失点

1 山形 16

1 福岡 16

3 京都 17

4 鳥栖 20

4 札幌 20

6 仙台 21

7 湘南 24

8 徳島 25

9 甲府 26

9 横浜 26

11 水戸 27

12 草津 35

福岡の失点は山形と並んで一位。(平均:22.75)

三位の京都までが、一試合あたりの失点が1.00を切っている。

被シュート

1 福岡 154

2 札幌 159

3 仙台 171

4 京都 181

5 横浜 187

6 草津 189

7 徳島 193

8 山形 197

9 甲府 202

10 鳥栖 209

11 水戸 212

12 湘南 218

被シュートも福岡は一位であった。(平均:189.33)

水谷の鬼セーブで救われてる場面がやたら印象に残る今シーズンだけど、実はシュートもあまり打たせていない。

守備ポイント

(失点 x 5) + 被シュート数を各チームごとに出し、リーグ平均値との差を守備ポイントとした。

# なぜ重みが"5"なんだと聞いてはいけない。

数字が大きいほど、守備の堅いチームと言える。

1 福岡 69.08

2 札幌 44.08

3 京都 37.08

4 仙台 27.08

5 山形 26.08

6 鳥栖 -5.92

7 横浜 -13.92

8 徳島 -14.92

9 甲府 -28.92

10 湘南 -34.92

11 水戸 -43.92

12 草津 -60.92

失点と被シュートそれぞれで一位なので、当然ここでも福岡は一位だった。

同じような経緯をたどってJ2に居る札幌と同じような数字が出ているところが興味深い。

意外なのが湘南で、思いっきり平均以下である。去年の第四クールにあたったときは、「こりゃ来年はもっと堅いチームにしてくるぞ・・・」と思ったものだが、なんでこんな数字なんだろう。

とりあえずの結論

失点も少なく、被シュートも少ないんだから福岡の守備はJ2では一番堅いと言い切っていいだろう。米田・増川・藏田という、去年の守備ブロックの主要なメンバーが抜けてこの数字なのだから、守備に関して松田監督の手腕は図抜けている。

中央で守っているのがなにかと批判の多い千代反田、体格や足元の技術に決して秀でているわけではない宮本、4バックは未知数だった新加入の岡山ということを考えるとこの数字はいい意味で驚きだった。

福岡のサッカーはバランスのいいサッカーなんだそうだ。バランスといってもいろんな意味があると思うが、「適度にリスクチャレンジするバランス感覚」という意味においては、果てしなく平均値(よりちょっと下)な攻撃力と抜群の守備力を勘案すると、バランスが守備に傾きすぎなのは明らかだ。

たぶん、俺達の選手は何かを怖がってサッカーしている。リスクを犯さないことがテーマの試合を18試合繰り返してきたのだ。

福岡のサッカーは引き分け狙いのガチガチの守備サッカーだと言われてもそれは間違ってない。残念ながら。

ガチガチの守備サッカーで結果が出ればいいが、実際にはニ試合やればひとつは「狙い通り」引き分けている。

というわけで守備力についてまとめてみても明るい気分にはなれないのであった。

参考:

http://www.2002world.com/column/fukuoka/2005/20050629_nakakura267.html